自然災害と向き合うための単元導入アプリ
小学校社会科第5学年では、
「我が国の国土の自然環境と国民生活との関連」の学習として、
自然災害とその防止について学びます。
社会科で「自然災害」を扱うとき、
どこから、どのように学びを始めるかは、とても悩ましいテーマです。
実際の出来事を扱う以上、
- 被害を受けた方やご家族への配慮
- 児童の不安や恐怖だけを強めてしまわないか
- 自然そのものを否定的に捉えさせてしまわないか
といった点は、常に意識する必要があります。
一方で、
自然災害を自分事として捉え、災害への備えや対策を大切にしようとする姿勢を育てることは、
この単元の重要なねらいでもあります。
このアプリは、そうした両立の難しさに向き合う中で生まれました。
このアプリで大切にしていること
① 被害そのものを「見せる」ことが目的ではありません
本アプリは、実際の自然災害をもとに構成されていますが、
ショッキングな表現や、被害の大きさを強調することを目的としていません。
大切にしているのは、
- なぜ多くの人がその場所を訪れていたのか
- どのような自然の魅力があったのか
- どのような自然条件のもとで出来事が起きたのか
といった、自然環境と人々の生活との関係を丁寧に捉えることです。
これは、
学習指導要領に示されている
「自然災害は国土の自然条件などと関連して発生していることを理解する」
という目標につながる視点です。
② 「正解を教えない」導入にしています
このアプリでは、
「こうすれば助かった」
「この行動が間違いだった」
といった結論を提示しません。
あえて、
- 行動の選択肢を提示する
- どの選択でも困難な状況に直面する
- すぐに答えが出ない構成にする
という設計にしています。
それは、
自然災害への対応は、単純な行動の正解だけで整理できるものではない
ということを、子ども自身が感じ取り、
「どのようなところでどのような自然災害が起きているのだろう」
「大きな被害を出さないためには何が大切だったのだろう」
「国や自治体はどのような対策をしているのだろう」
「私たちには何ができるのだろう」
という学習問題を見いだすための入口とするためです。
この点は、
思考・判断・表現の評価規準にある
「問いを見いだし、考えて表現する」力の育成を意識しています。
③ 「自分事」として考えるための導入
文章や説明だけで自然災害を学ぶと、
どうしても「遠い出来事」になりがちです。
このアプリでは、
あなたは、日本の山に来ている登山者の一人です。
という立場から始まります。
これは、恐怖を与えるためではなく、
自然災害と国民生活との関わりを、自分の立場から考えるための仕掛けです。
行動を選ぶという体験を通して、
教材と受け身ではなく、主体的・対話的に向き合うことをねらっています。
これは、
**「主体的に学習問題を追究・解決しようとする態度」**の育成につながる導入です。
自然を否定する教材ではありません
御嶽山をはじめ、日本の山々は、
- 美しい景色
- 高山植物
- 火山がつくり出した独特の自然
といった、かけがえのない魅力を持っています。
本アプリでも、
自然の美しさや、人が自然に惹かれる理由を丁寧に描いています。
自然は「こわいもの」ではなく、
国土の自然条件として、私たちの生活と深く関わる存在であること。
そのうえで、
自然災害と向き合い、被害を減らすために
国や県がどのような防災・減災の取組を進めているのかを学んでいく。
その学習へとつなぐことを、このアプリは目指しています。
単元導入アプリとしての位置づけ
このアプリは、
- 自然災害のすべてを教えるものではありません
- 防災対策を網羅的に理解させる教材でもありません
あくまで、
「これから何を学ぶのか」
「なぜ学ぶのか」
を考えるための単元導入用アプリです。
この後の学習として、
- 教科書や資料集、地図帳を使って自然災害を調べる
- 国や県が進めている防災・減災の対策や事業を学ぶ
- 自分たちの地域や生活と結び付けて考える
といった学習につながっていくことを想定しています。
参考として埋め込んでいる動画について
本ページには、参考資料として
ANN「2014年9月27日 御嶽山噴火【まいにち防災】」の動画を埋め込んでいます。
これは、
- 当時の状況を正確に知るため
- 教師が事前に内容を確認し、授業構成を判断するため
の資料として位置づけています。
授業で扱うかどうかは、
学年や児童の実態、学習の進め方に応じて、
教師が選択できる資料としています。
社会科に詳しい先生方へ
このアプリは、
学習指導要領に示された目標を意識しながらも、
実践の中で改善されていく教材だと考えています。
- 表現として配慮が必要な点
- 導入としてより効果的になりそうな工夫
- 「自然条件」「防災対策」につながる問いの視点
など、もしお気づきのことがあれば、
ぜひアドバイスをいただけるとうれしいです。
自然を敬い、
自然災害と向き合い、
自然と共に生きていく。
その第一歩として、
このアプリが、子どもたちの学びにつながれば幸いです。



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