はじめに
墨の濃さを変えて描き分ける「三墨法(さんぼくほう)」は、水墨画の基本的な技法です。
濃・中・淡の3段階を使い分けることで、奥行きや立体感を表現できます。
今回紹介する 「デジタル水墨画」 は、墨や紙の準備なしで三墨法を練習できるWebアプリです。
小学生でも簡単に操作でき、何度でもやり直し可能なので、授業や自宅学習にぴったりです。
三墨法とは?
三墨法は、墨の濃さを3段階に分けて使う技法です。
- 濃墨(のうぼく):墨汁そのまま。力強い黒色。
- 中墨(ちゅうぼく):濃墨を少し水で薄めた色。柔らかな中間色。
- 淡墨(たんぼく):さらに水を加えて淡くした色。背景や遠景に最適。
この濃淡を意識的に使い分けることで、絵に奥行きや遠近感が生まれます。
デジタル水墨画の使い方
- アプリを開く
ブラウザで「デジタル水墨画」のページを表示します。キャンバスと左側の操作パネルが出ます。 - 筆サイズを設定
「筆サイズ」スライダーで太さを調整します。(数字が大きいほど太くなります) - 墨の濃さを設定
「墨の濃さ」スライダーで濃淡を調整します。- 100 → 濃墨
- 50 → 中墨
- 20 → 淡墨
- にじみ・かすれを調整
- 「にじみ」…筆跡の広がり方を変えます。
- 「かすれ」…墨が切れかけたような表現が可能。
- 濃淡の方向とバランス
「濃淡」チェックを入れると、筆の上下左右に濃い部分を作れます。
「濃淡バランス」スライダーでその割合を変更できます。 - 描く
マウスやタッチペンでキャンバスに線や形を描きます。
筆圧対応端末なら、強く押すと濃く・太く、弱く押すと淡く・細くなります。 - 便利機能
- 新しい和紙:背景をリセットして新しい紙に。
- 全消去:すべて消して最初から描き直し。
- 保存:画像として保存。
- 戻る/進める:Undo/Redoで描画のやり直しが可能。
練習のステップ
- 濃墨練習
墨の濃さ100で線や形を描き、力強い印象を確認。 - 中墨練習
墨の濃さ50で同じ形を描き、やわらかな表現を体験。 - 淡墨練習
墨の濃さ20で背景や遠景を描く。 - 三墨法の組み合わせ
手前=濃墨、中間=中墨、奥=淡墨の順で描き、立体感を表現。
モチーフ例
- 竹林:幹=濃墨、葉=中墨、遠くの竹=淡墨
- 山水画:近くの山=濃墨、遠くの山=淡墨
- 花:花びら=中墨、葉=濃墨、背景=淡墨
- 金魚:体=中墨、模様=濃墨、水=淡墨



まとめ
「デジタル水墨画」は、墨や和紙を使わずに水墨画の基礎を学べる便利な練習ツールです。
三墨法の濃淡を繰り返し試すことで、絵の表現力がぐんと広がります。
授業だけでなく、自宅でのアート体験としてもおすすめです。




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